中尾 哲彰(なかお てつあき)
1952年佐賀県生まれ。慶應大学哲学科を中退し家業の窯元・玉峰窯を継ぐ。陶芸家を志し、81年頃から現代工芸展、日展などに応募、相次いで入選を果たすが、美術工芸団体の煩わしさから脱会。その後は釉薬の研究に没頭し、孤高を貫く。やがて独自の耀変結晶釉をうみだし「銀河釉」と名付ける。その複雑な色の変化の中に星が輝いているように見える、まさに銀河の表現は釉薬に含まれるさまざなな金属の結晶が織りなす現象です。ベースや結晶の色合いから、「春銀河」「夏銀河」「秋銀河」「冬銀河」と称され、さらに複雑な「茜銀河」も登場する。90年代以降、アメリカ、イタリア、フランス、スペイン、ロシアなど欧米や中国で高い評価を受け、数々の賞を得て、作品の多くが美術館に買い上げられている。昨年08年はロンドンの「クイーンビクトリアギャラリー」で海外初個展を行い、またロンドンの大手オークション業者Bonhamsでも取り上げられるなど、海外でもっとも評価の高い日本の陶芸家のひとりです。作品は名人級のロクロ技を活かした造形的に特徴のある花器を軸に、5年前から茶道遠州流家元の指導を受けた一連の茶器、思わず使いたくなる皿や鉢・珈琲碗皿など一般食器の幅も広い。
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